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相続時精算課税の活用

 贈与により財産を取得した時には、原則として贈与税を支払うことで、税金が精算され、それ以上の税金を払うことはありません。
高齢者から、若年層に財産の移転を行うことによる景気対策の一環として、相続時精算課税が導入されました。
 この制度の2大メリット
1 税率が20%であること。
2 基礎控除として2,500万円があること。
つまり、2,500万円までの贈与であれば、贈与時に無税で財産を贈与することができるということです。通常の贈与税であれば、基礎控除が110万円で、最大50%の税率で贈与税を支払わなければならいのに・・・。

  この制度のデメリット
1 相続が発生したときに、この制度を適用して贈与したものが相続財産に加えられる。
2 一度この制度を受けてしまうと、本来の贈与税の制度に戻ることができない。

 「得なのか、損なのか解らない」という方がいれば、その判断は正しいです。
 「この制度を適用を受けて、贈与時に贈与税が無くても、後で相続税がかかるのなら、同じじゃないの?」という方がいれば、その判断も正しいです。ただ、もう少し検討してみて下さい。
 「仮に、相続時精算課税を適用を受けて贈与税を払ったらどうなる。」と考えた方に対しては、支払った贈与税は、相続税の申告の時に控除されます。つまり、相続時精算課税の適用を受けて支払った贈与税は、相続税の前払いにすぎません。

 この制度の適用に関しては、非常に慎重になる必要があります。

この制度を受けてても、いい人は・・・。
1 もともと相続税がかからない人
2 贈与を受ける財産の価値が将来上がることが確実な場合や、その財産を持つことで、収益を得られる場合には、将来の相続税も考慮して、適用を受けるかどうかを検討する必要があります。
 例えば、今財産が株式5千万円あるとします。この株式は10年後に100倍(50億円)になるとします。相続時精算課税を適用を受けて、5千万円を贈与し、贈与者が15年後に無くなったとします。相続税の計算上加算される財産の価格は、5千万円でいいのです。この適用を受けないで、そのまま持っていれば、50億円に対して相続税がかかりますが、この適用を受けることで相続税の対象になるのが5千万円で済むのです。

 また、5千万円の不動産を持っていたとして、この不動産が毎年15百万円の収入があるとします。そして15年後に贈与者が死亡すると仮定しましょう。この不動産を相続時精算課税の適用を受けて贈与したらどうなるでしょうか?
 贈与を受ければ、毎年15百万円の収入があります。仮に所得税住民税を50%支払ったとすれば、手元に残るのが7百50万円です。15年間で1億1千2百50万円が手元に残ります。
贈与をしなければ、不動産の価格5,000万円と、現金1億1千2百50万円が相続税の対象となります。この制度の適用を受けると5,000万円だけが、相続税の対象となります。

 いずれにしても、シミュレーションを行った上で、検討する必要があります。

 

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